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ベトナムの衣料及び履物産業、2013年度は好調に推移

ベトナムの衣料及び履物製造企業の業績は良好で、主要輸出先国の輸入額が減少しているにもかかわらず高い成長率を達成した。昨年のロシア、東欧、米国、日本及び西欧諸国向け輸出は現状維持だったが、韓国、トルコ、アフリカ諸国及び中東諸国などの新しい市場では輸出額を伸ばすことができた。これはベトナムの衣類・履物製造業にとって大きな成功と言える。

 

同国の産業通商省によると、2013年度における衣料産業の輸出額は対前年比16.23%増の約200億ドルを稼ぎ出した。その内、生地や糸の輸出額が21億3,200万ドルで、完成した衣料が178億9,000万ドルだった。なかでも、国営のVinatex(Vietnam National Textile and Garment Group)は対前年比11.2%増の29億1,500万ドルを売上げた。ベトナムは天然生地2億9,000万㎡(対前年比3.1%増)を生産し、合成人工繊維5億9,090万㎡(対前年比9.8%減)を生産した。

 

ベトナムの衣料産業は、大量生産から中・小ロットのニッチ市場にも迅速かつ柔軟に対応する、高品質な生産へと産業の軸足を移行する過程にある。

 

2013度におけるベトナム履物産業の生産販売は、第二四半期から成長の勢いを取戻し、輸出が増え、年度末までその状態を維持した。履物の生産量は対前年比9.5%増の2億5,610万足に達し、輸出額は2012年度比15%増の83億6,600万ドルに達したと推計される。

 

ベトナムの履物産業は、今後も発展すると予想されるが、欧州や米国などの主要輸出先向けの商品の品質向上と加工技術の向上が課題とされる。また同産業のリスクとしては、世界市場の不安定さと履物の原材料(なめし皮と合成皮革)の多くを輸入に頼っていることだ。

 

またベトナムの衣料及び履物産業はTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や二国間FTA(EU、ロシア、ベルラーシ、カザフスタン、韓国)の締結に際して、同産業の織物、染色、最終加工、デザイン等の技術やマネジメントを刷新する必要がある。

 

こしこれらの条約が締結されると、ベトナムの衣料及び履物産業は著しく成長すると考えられるが、同時に、過度の原材料輸入にお依存している産業構造を解決しなくてはならない。

 

原稿執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央