中国の大手食品eコマース企業のYihaodian(中国語:1号店)は2012年の68億元(約11億3,000万ドル)から115億4,000万元(約19億ドル)へと対前年比70%の売上増を達成した。
この上海を本社とする食品eコマース企業は、ウォールマートが51%の株式を保有している、中国最大のオンライン食品販売会社である。同社を利用するユーザー数はこの1年間で2,900万人から5,700万人へと、対前年比で97%も増えている。
ウォールマートは2012年にYihaodianの持株を51%に引き上げ、自社のロジステイックをシェアすることによって、Yihaodianの国際調達を支援している。これによりYihaodianは、中国国内の有害食品に頭を悩ます消費者に対し、海外からより多くの安全な食品を提供できるようになり、昨年は2億5,000万ユニットの輸入商品を販売した。
Yihaodianの創設者であり、現社長のYu Gang氏によると、2013年に中国に輸入されたミルクの内、37.2%はYihaodianによって販売されたそうだ。また同社はサービスの向上に努めており、賞味期限に関する苦情(賞味期限と実際に食べられる消費期限の期間が短い)も大幅に減ったそうだ。ちなみに、同社のカスタマーサービスにかかってくる電話のうち2012年は13.9%が賞味期限に関する苦情だったが、2013年には3.7%に減少した。
またYihaodianは商品の回転率を上げるために、顧客需要の予測システムとサプライヤーへの自動発注システムを開発した。これにより、同社の在庫切れによる商品補充時間は大幅に短縮された。また競合他社の販売価格をモニタリングできるシステムを構築し、中国の主要eコマース企業70社で販売されている1億7,000万の商品価格をモニターし、競争力のある価格を常に維持できるよう、自動価格調整システムを導入した。
Yihaodianは物流システムの強化にも努めており、中国南部の広東省に高度に自動化した巨大倉庫を建設した。同社は中国の7大都市に倉庫を保有しており、商品配送時間の短縮を実現している。また、2013年には上海で注文から2時間以内で配送するスピード・デリバリー・システムを実験的に開始し、今年は北京や広州でも配送実験を行う予定だ。
同社の社長、Yu Gang氏によると、2012年はわずか6%の消費者が携帯経由でYihaodianに食品を注文していたが、2013年には15%になり、数年後には50%の消費者が携帯から注文すると見込まれている。
Yihaodian(1号店)ホームページ:www.yhd.com
記事執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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