まるでチェスゲームのようなウォールマートとアマゾンによる厳しいオンラインでの食料品販売競争が続いている。

昨年12月に、アマゾンはシアトルやロサンゼルスで行っていたAmazonFreshサービス（即日食料品宅配サービス）をサンフランシスコにも広げた。このサービスは2007年から実験的に行っており、アマゾンは自社トラックを使い生鮮食料品等を宅配している。

一方、ウォールマートは2013年10月より、デンバーで"Walmart to Go"という食料品の宅配サービスを実験的に開始しした。ウォールマートの購入社者はネットで注文しておけば、デンバー市内のウォールマート店のドライブスルーや店舗内の薬局などで購入商品をピックアップできる。

ウォールマート内で商品を受け取る場合、別途費用はかからない。自宅に届けてもらう場合には配送指定時間によって、U$5からU$7の配送料がかかる。

アマゾンの場合は、店舗でのピックアップはできないが、U$35以上の買い物をすれば送料は無料だ。そのかわり、アマゾンの宅配サービス”AmazonFresh”を使う場合には年U$299の会費を支払う必要がある。他方、ウォールマートの”Walmart to GO”は、現時点では年会費を必要としない。

アマゾンは2013年度のインターネット小売業者ベスト500社において、ランク第1位で、ウォールマートは第4位だった。

ウォールマートの”Walmart to GO”のミニマム・オーダーはU$30で2-4時間間隔の時間指定と受取場所の選択ができる。さらに、ウォールマートではオンラインで受けた注文を冷凍、冷蔵、常温に分けてトラックに収納し、現地時間の午前8：00までに受けた注文は同日配送する。

ウォールマートはデンバー地区で何名の消費者がこの実験に参加したか等、詳細なデータの公表を避けたが、数百件規模の注文はあったと述べている。肉、魚、野菜、乳製品、パン、化粧品、電化製品、オモチャ等何万もの商品が”Walmart to GO”経由で注文されたそうだ。商品価格はデンバー域内のウォールマート店と同じだが、”Walmart to GO”のサービスを使った消費者の90％はこのサービスの満足度に対して5段階評価の4又は5をつけている。

記事執筆：株式会社ユーディーアール　小椋貴央