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英国の店舗小売価格は過去7年間で最低に

英国小売協会(British Retail Consortium)の調べによると、英国衣料品市場における2013年12月の店頭価格はクリスマスセールの大幅なディスカウントにより、過去7年間の最低額を記録した。

 

すべての商品を含む総店頭価格は対前年同月比で0.8%減だった。分野別では、非食品小売店頭価格が2.3%減で、食品小売店頭価格は1.7%増だった。

 

対前年比0.8%減という数値は英国小売協会とニールセン社が2006年12月より出版している小売価格指数(Shop Price Index)の統計数値において過去最大のマイナスだった。

 

なかでも衣料品の店頭価格の減少は顕著で、12月に9.9%も下落している。この原因は、英国の衣料品小売店がクリスマスセールに消費者を引き付けるため、極端な安売りを行ったためだ。顕著な事例としては、マークス&スペンサー(Marks&Spencer)、デベンハムズ(Debenhams)やH&M等の大手衣料品販売店がクリスマス前の数週間にわたって定価の60%引きセールを行った。

 

このような無理な値引き合戦がたたり、デベンハムズは大晦日に業績の下方修正を発表し、マークス&スペンサーも大幅な売上減を公表することになった、

 

英国小売協会は家具、家電、書籍、文具とホームエンターテイメント(家庭用娯楽機器)の店頭価格も下落くしていると発表した。特に、オンラインショップにおけるサイバーマンデー(Cyber Monday)*の大々的な販売キャンペーンが小売業者のディスカウント競争に拍車をかけた。

 

英国小売協会のHelen Dickinson氏によると、英国の小売店頭価格は2013年12月に過去最低の価格上昇を記録しただけではなく、8カ月連続で店頭価格が下落するなどデフレ基調で推移している。このことは、消費者にとっては福音でも、小売業者にとっては最悪の状態といえる。

 

非食品店頭価格は小売業者の価格競争を反映したものであるが、食品の店頭価格は2010年6月以降で最も価格が下落しており、2013年12月は対前年比1.7%の上昇にとどまった。

 

英国の大手スーパーマーケット、セインズベリーズ社(Sainsbury's)のJustin King社長も、2013年度の第四四半期の業績は食料品ディスカウント店や高級食料品店との厳しい販売競争により、英国の4大スーパー*でも過去に例を見ない大幅な店頭価格の引き下げを余儀なくされた。

 

1:サイバーマンデー(英:Cyber Monday)は、英国の感謝祭連休明けの月曜日(2013年は122日)を指す。この日は、オンラインショップ等におけるホリデーシーズンのセールの開始日と考えられており、各社が大々的なキャンペーンを実施し売上が急増する。英国人はこの日をメガマンデーとも呼んでいる。

 

注2:英国の大手スーパーマーケット4社とはTesco (テスコ)、Sainsbury's(セインズベ リー)、Asda(アスダ)、Morrison(モリソン)を指し、4社で英国のチェーンストアーにおいて、食品マーケットのシェア75.3%(2013年11月時点)を占める。

 

記事執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央