近未来の中国人消費者
中国の中間所得者層の獲得に注力しているマーケティング担当者ならば、当然、中国の超巨大都市である北京、上海、広州、深川以外の都市に居住する、アッパーミドルクラスの消費者に対してもいかに商品を売り込むか考えねばならない。
コンサルティング会社のマッキンゼーは、中国の中間所得層の多くは上中級所得層(アッパーミドル)に変化すると予見している。同社はこの所得層を年間世帯収入で106,000元から229,000元(U$16,000-U$34,000)と定義しており、人口比でいうと、現在の大都市に住む世帯の14%に相当し、2022年までには54%になると予想している。
新しく生まれる豊かな所得層は中国市場の消費行動をリードするだろう。西欧諸国の消費者のように、中国の上中級所得層は、いままでの中級所得層が単純に商品機能を重視していたのとは異なり、より商品やサービスが作り出す情緒的な側面(たとえばハイブランド品の特別感や贅沢感など)に強く惹かれるようになるだろう。
現在、1980年代以降に生まれたテーンエイジャーや20台前半の若い中国人消費者もおそらく変化するだろう。とどまることを知らない経済成長の恩恵で、物に溢れた豊かさの中で育ってきた若い消費者は、彼らの個人所得がこれからもずっと上昇すると確信している。このような消費者はブランドロイヤリティを高め、新しい商品やサービスを積極的に受け入れ、喜んでプレミア商品を購入すると考えられる。
同時にもう一つの別のトレンドもおきるだろう。そのトレンドとは、成長する中間所得層の中心が中国の西部や北部に移動することだ。
過去20年間、中国の経済成長は海岸沿いの超巨大都市又は2番手規模の大都市に集中していた。しかし、今後10年以内にで、その下の規模の第3-第4番手規模の地方都市が中国の成長を牽引するだろう。さらに、そのような地方都市の金持ちは今以上にオンライン通販を利用するようになる。
このような新しい消費の波に対応するために、小売企業者は中国全土に広がる、中級所得層と上中級所得層向けに、2たつのマーケティング戦略を立てる必要がある。
記事投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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