中国の大手Eコマース会社、アリババ(Alibaba Group Holdings Ltd.)が米国で新しい電子商取引市場を立ち上げようとしている。新サイトは11 Main.comといい、現在公開準備中であるが、いつオープンするかは公表されていない。
アリババは2010年にAuctivaとVendioという米国企業を子会社化し、米国市場参入の機会を狙っていた。
現在、11Main.comは積極的にサイト加入業者をリクルートしており、対象分野は赤ちゃん用品、アパレルから美術品まで、10のカテゴリーに及ぶ。11Mainのサイトには探すのが難しい、ユニークな商品を売っている業者を数多く集め、他のEコマースサイトとの差別化を図る戦略だ。
アリババは中国市場において、ソーシャルメディアうまく利用して、顧客とのコミュニケーションをとり、信頼を得てきた。例えば、中国のアリババでは加入業者とライブチャットで送料について質問したり、商品の値引き交渉まで可能だ。実際にアリババを使用したことのあるフォレスターリサーチ社(インターネット市場を専門とする調査会社)の研究員などは、ライブチャットで値引き交渉し、20%引きで靴を購入したそうだ。
11Main成功の鍵はどれだけ多くのトラフィックを集められるかにかかっており、そのためには消費者の要望や好みをを満たせるよう、サイトを米国仕様に変えなくてはならない。
アリババグループは中国最大のEコマースプレーヤーで、二つのオンライン市場を運営している。一つは2003年に立ち上げたCtoCサイト(Yahooオークションのようなサイト)のTaobao.com(淘宝網)で、7億6,000万点の商品を販売している。また、2008年には、Tmall(天猫)というBtoCサイトを立ち上げた。両サイトは1日に1億人の買物客が訪れるほど巨大だ。
2013年度の第三四半期時点で、淘宝網は中国のCtoC市場のシェア90%を占め、天猫はBtoC市場のシェア39%を確保している。さらに、ネットトラフィック調査のAlexa Internet Inc.によると、2013年3月時点において、淘宝網は世界で上位20位に入るほど、多くのトラフイックを集めており、天猫には米国のギャップやアップルなどを含む70,000ブランドが出品している。
両サイトの年間取扱高は2012年の1,640億ドルから2013年には、対前年比49.4%増の2,450億ドルを達成するなど、創業以来、毎年、大幅な成長を続けている。
アリババの米国上陸は、米国の消費者にとっては購入先の選択肢が増えて喜ばしいことかもしれないが、アマゾンやイーベイなどの先行企業にとっては、外来種初の大きな脅威になるかもしれない。
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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