北米で第3位の規模を誇るSignet Jewelers(以下サイネット)が北米第6位のZale Corp.(以下ゼール)を90億ドルで販売する見込みだ。
シグネットは世界のトップオンライン業者500の167位にランキングされており、米国ではKay JewelersとJared (the Galleria of Jewelry)というブランド名を使い、英国ではH.SamuelとErnest Jonesというブランドで宝飾品のオンライン販売をしている。 また、リアル店舗も英国の500店を含む1,400店舗を運営している。
ゼールは世界のオンライン業者の203位にランキングされており、Zales. comとGordonsJeweler.com及び1,700のリアル店舗を運営している。
シグネットのCEO、Mike Barnes氏によると、ゼールを買収することで、事業の多角化をはかり、海外への事業展開を加速することができると述べている。
サイネットの2012年度のオンライン売上高は2011年の9,230万ドルから40.6%増の1億2,980万ドルに伸びた。一方、ゼールのオンライン売上高は2012年の9,100万ドルから1億ドルに伸びているものの、年間成長率は9.9%にとどまり業績に差がつき始めていた。
今回の買収が完了すれば、サイネットの売上は2億2,980万ドルになり、老舗宝飾企業のTiffany&Coを抜いて、売上高世界第2位に躍り出ることになる。ちなみにこの分野では、Blue Nileが世界第一で、売上高は4億ドルを2012年に計上している。
ゼールとサイネットはオンライン販売の売上高では業界第一ではないが、両サイトを訪れるユニークビジター数では他企業を大幅に上回っている。
オンライン販売ランキングで著名なTop500Guide.comの調査によると、サイネットが300万、ゼール280万の月間ユニークビジターを集めており、ライバル企業のTiffanyが73万、Jewelry Televisionが70万、Blue Neilが64.6万ユニークビジターしかないことを考慮すると、その集客力は群を抜いている。
現在、サイネットは自社サイトでネット販売を行い、ゼールはeBayのなかに店舗を構えているが、ゼール買収後、サイネットがどのようにオンラインサイトを運営していくかについては詳細を公表していない。
ブログ執筆:小椋貴央
コメントをお書きください