まもなくブラジルで開催される、FIFAワールドカップ2014の影響で、トーナメントが開催される12都市のホテル客室料金が異常な高騰を見せている。ブラジルの観光局(Brazilian Tourism Board)の調査によると、ワールドカップ中のホテル客室レートは通常の約5倍にまで跳ね上がっている。
リオデジャネイロのホテルにおける平均客室単価はU$460になると予想され、ブラジル観光局はFIFAにホテルの引き下げについて相談している。
ブラジルの法務省(Department of Justice)は大手ホテルチェーンに対して、客室価格の大幅値上げについて説明を求めており、先日、Accor、Choice、Louvre、Blue Tree、Nacional Inn、Wyndham、IHG、Bourbonという8社の有力ホテル企業に通知を出した。
さらに、政府はFIFAの公式宿泊施設代理店であるMATCH Servicesがホテル宿泊料を釣り上げるための価格カルテルに関与しているのではないかと疑っており、調査に乗り出す見込みだ。
ワールドカップ開催中には60万人の外国人旅行客と300万人の国内観光客がゲーム開催都市を訪れる予定で、ブラジル政府はホテル価格の高騰がブラジルの対外的イメージや信用を損なうことを危惧している。
ブラジルのホテル産業アナリストはイベント開催中の不適切な便乗値上げがいかに業界の信用をそこねたか、前回の南アフリカワールドカップを引用して警告しているが、ブラジルのホテル業界は欲の皮がはりすぎて自制心を失い、消費者からの批判をなどには聞く耳をもたないようだ。
ブログ執筆:小椋貴央
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