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世界の住宅市場動向 - (1)

 

世界の住宅市場は2014年の第一四半期を起点として、過去1年間(2013年4月-2014年3月)上昇傾向にある。グローバル・プロパティ・ガイドの住宅価格統計によると、2014年第一四半期は、世界45ヶ国ちゅう31ヶ国で住宅価格が上昇している。

 

中近東住宅市場

アラブ首長国連邦(UAE)のドバイでは過去2年間半にわたって住宅価格は上昇し、過熱気味といっても過言ではない。住宅需要は急騰しており、過去1年間で31.57%も上昇した。また同国の経済も引き続き好調だ。

 

オセアニア住宅市場

オセアニア地域でも住宅価格は上昇している。ニュージーランドの平均住宅価格は過去1年間で8.36%上昇した。同様に、オーストアリアの住宅価格は記録的な低金利と海外投資家の強い需要から急激に上昇している。同国の主要8都市における住宅価格は過去1年間で8.3%上昇した。

 

米国住宅市場

S&Pケースシラー全米住宅価格指数によると、米国の住宅価格は2014年第一四半期からの過去1年間で5.41%上昇したが、2013年第一四半期から過去1年間の9.37%より上昇幅は縮小した。

 

欧州住宅市場

欧州の住宅市場は多くの国で良好な状態にあり、過去1年間で7.49%上昇した。その1年前が-3.49%だったので市況は大幅に改善したといえる。

 

英国の住宅価格は欧州で最も上昇率が高く、過去1年間で7.35%上昇した。次いで、オーストリアのウィーンが6.39%、スウェーデンが4.86%と高い上昇率を記録した。他の住宅価格が上昇した国は、ドイツ(3.72%)、チェコ(2.82%)、スイス(2.76%)、ブルガリア(2.32%)、ポルトガル(1.6%)、オランダ(0.02%)があげられる。

 

住宅価格が大幅に下落したのはギリシャ(-7.08%)で、世界の住宅市場で最も低迷している。ギリシャは国家の経済破綻を免れ、予定より早く、恐ろしいほどの赤字に終止符を打ち、プライマリーバランス(利払い前の基礎的財政収支)を黒字化したが、住宅市場の回復まではまだ遠いようだ、

 

次に下落が大きいのはロシアで、住宅価格が1年間で5.15%下落した。この数値は前年の-4.83%より下落幅が拡大している。

 

またスペインの住宅市場も過去1年間(2013年4月-2014年3月)で、住宅価格が-5.41%下落したが、その1年前(2012年4月-2013年3月)の-12.8%と比較すると大幅に改善している。

 

その他、欧州で住宅市場が下落しているのは、ルーマニア(-4%)、ウクライナのキエフ(-3.54%)、クロアチアのザグレブ(-2.88%)、ポーランドのワルシャワ(-2.52%)、フランス(-2.22%)、ノルウェー(-1.97%)、スロバキア(-1.4%)とフィンランド(-1.29%)。

 

このうち、ルーマニア、クロアチア、ポーランド、スロバキアの住宅市場の価格下落幅は1年前よりも改善しているが、ウクライナ、フランス及びフィンランドは1年前より住宅価格の下落幅が拡大している。

 

注1:過去1年間とは2013年第2四半期から2014年第一四半期(2013年4月-2014年3月)を意味する。

注2:国全体の統計がない場合は、首都のみの住宅市場統計を記載。

 

世界の住宅市場動向-(2)に続く

 

ブログ執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央