かってベトナムの清涼飲料市場は”眠れる森の美女”といわれてきたが、ついに目覚めの時がきたようだ。
大手飲料企業がベトナムの清涼飲料市場に本腰をいれ始めてからまだ数年だが、いまではミネラルウォーター、緑茶、コーヒー飲料、フルーツジュース、栄養ドリンク、炭酸飲料など幅広い商品が店先に並んでいる。
2006年に"Tra Xanh Khong Do"しか市場にはなかった。しかし、現在ではコカ・コーラのReal Life、ペプシのLipton Pure Green、Vedan社のThien Tran Vedan、Vinamilk社のYogurt Green Tea、フィリピンのUniversal Robina CorporationのC2など、次々とボトル詰めの緑茶飲料商品が市場に投入されている。
調査会社のユーロモニターによると、ペプシやコカ・コーラの炭酸飲料がVND5,000(約24円)*なのに、緑茶やフルーツジュースはVND7,000(約33円)する。このことは、ベトナムの消費者が健康に良いと思う商品には喜んで多くの金額を支払うことは明らかだ。
市場が急成長して高い利益が上げられるのであれば、多くの企業が市場参入するのは自然なことだ。
T&T Groupは2013年にスキンケアに効能があるコラーゲン入り飲料の製造工場を設立した。またハノイ市にあるQuang Hanh工場はレモンジュースを販売することで1ヶ月でVND300億(約1億4,300万円)を売上げた。
ベトナムの飲料市場はファースト・フードの市場拡大に支えられて拡大している。ユーロモニター社によると、ファースト・フード市場は2012年に対前年比15%増、2013年に17%増に拡大した。また今後5年間も年7%平均で成長が続くと予想されている。
ベトナムのVietinbank Securities Companyによると、ベトナムの清涼飲料市場は2013年に販売量で20億8,300万リットル販売され、売上で11兆VND8,700億(約565.8億円)になったと推計される。
ベトナムの清涼飲料市場は過去5年間(2009-2013)で19.35%成長し、次の5年間(2014-2018)も14.2%の高成長が続くと予想されている。現在、ベトナムの市場には国内メーカーと海外メーカーを合わせて135社の飲料メーカーが競い合っている。
注:記事内のVND(ベトナムドン)と日本円の為替換算は以下で計算。
1 VND = 0.004767 JPY | 1 JPY = 209.77 VND |
ブログ執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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