ビットコインの主要取引所の一つ、マウントゴックス(Mt. Gox)が480億円相当のビットコインを喪失し、倒産したのはつい先日のことだ。日本では取引所の破綻により、ビットコインへのイメージが悪化し、普及が停滞している。
一方、米国ではマネーロンダリングへの規制は強化されるものの、Eコマース業界での採用はどんどん広がっている。
2014年1月に全米中の余剰在庫(Overstock)を集めた通販サイトOverstock.comが、大手Eコマース企業として初めてビットコインでの決済を認めた。同社がデジタル通貨を承認してからわずか24時間で、ビットコイン決済で840の注文があり、140万ドルを売上げた。
Overstock.comのCEO、PatrickByne氏はデジタル通貨の取引を信頼しており、これからも取引の10%をビットコインですると明言している。
直近では、パソコン、パソコン周辺機器やゲーム端末を販売するNewegg.comがビットコインでの取引を承認した。同社は2,500万人の登録顧客をもち、1,050万商品を取り扱い、年商27億3,000万ドル(約2,730億円)の売上を計上する、世界で13位にランクされるネット小売企業だ。
Newegg.comがビットコインを採用したのは、クレジットカードの決済方法とは違い、仮想通貨が実際の現金と同じように直接的にやり取りできるというメリットがあるからだ。
Newegg.com以外でも、大手生花通販の1-800-Flowers.comやFannieMay.com、Cheryls.com、ThePopcornFactory.com、1-800-Baskets.com、FruitBouquets.com、Stockyards.comなど、続々とビットコイン取引を採用している。
米国では、ネット取引の決済だけでなく、リアルな日常生活でもビットコインが使用できるようになりつつある。衣料品や飲食など現実の店舗でも仮想通貨が使えるところが増えているし、ビットコインで毎月の家賃の支払いができる不動産物件も増えるなど、規制当局が悩んでいるうちに市場は拡大トレンドに乗っている。
ブログ執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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