(3) ロボット介護機器(補助機能と外骨格)
米国では1日に少なくとも500人の人々が足の切断手術を受けており、内80%が糖尿病や足(下肢)の動脈に動脈硬化しておきる閉塞性動脈硬化症(ASO)を原因としている。
米国切断患者連盟(the Amputee Coalition)によると、米国には200万人の下肢を失った人々がおり、次の10年には現在の倍の人数になると予想されている。
ロボット介護機器は下肢を失った人々や、高齢になり足腰の筋肉が衰え、自分の足で歩けなくなった人の日常歩行を補助し、自立した生活を支えることができる。
日本のCYBERDYNE(サイバーダイン)株式会社は、ドイツの BG RCI(公的労災保険機関)を事業パートナーとして、ドイツ NRW 州ボーフム市で、脊髄損傷や脳卒中を含む脳・神経・筋疾患の患者に対し、ロボットスーツHAL®を用いた機能改善治療を行う医療サービスを提供してる。
また、イスラエル企業のArgo Medical Technologies社は、「ReWalk」という外骨格型アシストスーツを製造し、アメリカ食品医療品局(FDA)の認可を受け、一般家庭向けに市販できるようになった。
この分野での市場規模はいまだ1億-1億5,000億ドルにすぎないが、3-5年後には150億ドルに達すると予想されている。
(4) 人工知能
人口知能に関しては、同技術のパイオニアであるグーグルの技術担当役員のRay Kurzweill氏等、多くの専門家は2017年までにスマートホンやタブレットなどのデバイスを通して、人工知能技術を利用するようになるだろうと予測している。
EUにおける人工知能の市場規模は、2013年度で9億5,900万ドルに達し、2015年には350億ドルになると予想されている。
グーグル、マイクロソフト、アップル、インテル及びIBMは人工知能分野に数十億ドル規模の研究開発費を注ぎ込み、今後ますます厳しい市場競争が繰り広げられるだろう。
(5) 無人運転自動車
無人運転自動車はグーグルの自動走行自動車で有名だが、この技術は2018年までには商用化が実現すると見られている。GoogleのCEOであるラリー・ページ氏いわく、”自動運転車によって世界中の交通が一変し、個人が自動車を所有する必要性、駐車や渋滞などの必要性が軽減される”そうだ。
自動車事故は人為的ミスによりおきる場合がほとんどであり、自動走行車が社会に導入されることにより、交通事故は大幅に減少し、交通渋滞は緩和され、ガソリンの消費量は減る。また身体に障害のある者や高齢者も自分の足として車をつかえるようになるなど社会生活に与える影響は大きい。
モルガンスタンレーの研究によると、2035-2050年までには米国市場だけで、年間1兆3,000億ドルのエネルギー節約効果があり、全世界では5兆6.000億ドルの効果があると試算されている。
いままでみてきたロボット技術は、使い方さえ間違えなければ、人間の生活にとって、明らかにポジティブな影響をもたらすだろう。
ブログ執筆:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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