インドのスマートフォン市場は2014年第二四半期で、対前年同期比84%増だった。IDCアジア・パシフイックの"Quaterly Mobile Phone Tracker”によると、2014年第二四半期には、2013年第二四半期の1,002万台から840万台増え、1,842万台のスマートフォンが出荷された。
インドでは200ドル以下のスマートフォンの出荷台数が最も伸びており、このカテゴリーがスマートフォン市場のシェア81%を占める。
Phablet(スマートフォンとタブレットを組み合わせた電子機器で、スクリーンサイズが5.5-6.99インチのもの)の市場シェアは2014年第二四半期で5.4%だったが、1四半期間で20%も出荷台数を拡大した。出荷されたファブレットの半分以上は250ドル以下で、インドのベンダーはこの価格帯を中心に扱う。
IDCの調査ではインドのスマートフォン上位5社は以下の通り:
1.Samusung(サムソン)
サムソンがスマートフォンのマーケットリーダーで、市場シェア29%を占め
る。主要商品は150ドルのGalaxy Star proとGalaxy S Duos。
2.Micromax(マイクロマックス)
マイクロマックスは市場シェア18%を占め、第2位であるが、急激に市場シェアを伸ばし、サムソンを脅かす存在になっている。また同社はフィーチャーフォン(従来型携帯電話)とスマートフォン(多機能携帯電話)を含むインドの携帯電話市場で、韓国のサムスン電子を抜いて初めてトップに立った。近い将来にスマートフォンでもサムソンを抜き下剋上を果たす可能性が高い。
3.Karbonn(カーボン)
カーボン社はインドメーカーで、インド国内で低価格モデルを中心にスマートフォンを販売。市場シェア8%で第3位だが、ミクロマックスとはだいぶ差が開きつつある。
4.Lave(ラバ)
ラバは市場シェア6%で第4位のインドメーカーだが、第三四半期にはカーボンを抜く可能性がある。
5.Motorola(モトローラ)
元米国の通信機器メーカーで、グーグルの所有を経て、現在は中国のレノボの子会社。同社はオンラインでしか商品を販売していないにもかかわらず、発売から5ヶ月で出荷台数100万台を突破した。
2014年の第二四半期はスマートフォン製造会社にとっては、激戦を繰り広げた3ヶ月間だった。
マイクロマックスとラバは市場全体の伸びを上回って業績を伸ばし、マイクロマックスは対前期比18%増、ラバは対前期比54%も出荷台数を拡大した。
マイクロマックスはノキアを抜き去っただけでなく、サムソンに迫る勢いで、第3位のカーボンにもマーケットシェアで大差をつけた。
インド携帯市場ではインドメーカー勢が急激に力をつけており、中国メーカーも迫ってくるなど、いままでの勢力地図は短期間に塗り替えられそうな状況で、いままで市場トップだった、韓国のサムソンも現在の市場シェアを維持するのは容易ではない。
サムソンがトップシェアを守るには、いままで以上に、低価格帯商品(ロウエンドモデル)に注力する必要がある。さらに高価格商品(ハイエンドモデル)でも大型もヒット商品を生み出す必要があるだろう。
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
コメントをお書きください