(米)マサチューセッツ州の地元新聞、ボストングローブによると、ノースイースタン大学が特許を取得したナノ・オフセット・プリンティングシステム(以下NanoOps)は人の髪の毛の4,000分の1より細い20ナノメーターの三次元物体を印刷できるそうだ。
通常の3Dプリンターとことなり、粉末の樹脂に接着剤を吹き付けたり、液状の樹脂に紫外線を照射して硬化させたりはしない。
ノースイースタン大学の方式は、同大学のCenter for High-rate Nano Manufacturing(ナノ高速生産センター、以下CHN)*が開発したダイレクトアセンブリという技術だ。この技術は電子ビーム誘起付着といわれるもので、基盤材料にガスジェットで電子エネルギー材料を吹き付ける方法で、材料をナノスケール単位で積層し物体をつくるという方式だ。
CHNのディレクターで、ノースイースタン大学の教授であるAhmed Busnaina氏によると、この3DプリンターはiPhoneに使用されている高価な電子部品をの製造コストをU$10以下に下げることができるし、センサーシステムを1ドルの何分の1以下にできる。
NanoOpsはヘルスケア分野、インフラ分野、環境分野等の幅広い分野に使用でき、いままで高所得者や豊かな先進国に住む人々にしか入手出なかった最先端のデバイスを求めやすい価格で提供できる。
Busnaina教授の最先端プリンターは全米科学財団(National Scienec Foundation)*から2,450万ドル、マサチューセッツ技術共同機構(the Massachusetts technology Collaborative)*から700万ドルの資金提供を受けており、民間のナノプリンターメーカーであるMilara Inc.と共同で研究開発を実施てきた。
NanoOpsはメディカル機器メーカーやエレクトロニクスメーカーを中心に他の幅広い分野をターゲットにし、販売価格は1台100-150万ドルを予定している。
注1:Center for High-rate Nano Manufacturing(ナノ高速生産センター)はアメリカの理工系研究資金配分機関であるNational Scienec Foundation(全米科学財団)が設置したナノテク研究組織。
注2:全米科学財団(National Scienec Foundation)は米国の科学・技術を振興する目的で1950年に設立された連邦機関で、年間予算は70.3億ドル(2012年度)。
注3:マサチューセッツ技術共同機構(Massachusetts Technology Collaborative: MTC)は、州の準公的な経済開発機関で、「技術革新の推進」と「再利用可能なエネルギーの開発」の支援活動を行っている。
情報源:the Boston Globe (9/18日)、3D Printing Industry.com 及びノースイースタン大学
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