中国の投資家は米国での投資対象として不動産の買収を増やしている。2014年の第二四半期だけで、中国人投資家は米国の商業不動産に6億ドルをつぎ込んでいる。投資資金は現在着工中の開発プロジェクトに流れ込み、米国の建設業者や不動産デベロッパーにとっての大きな事業機会を作り出している。
イリノイ州のシカゴに本部を置く、全米不動産協会(以下NAR:National Association of Realtors)によると、中国の新興投資家達は居住用不動産にも興味を持っている。2014年7月のNARの発表によると、中国は米国の住居用不動産セクターにとって最も急拡大している投資家になっている。
NARの試算では、2013年4月から2013年3月末までの1年間で約220億ドルあった外国人投資家の約25%を中国人が占めている。中国人投資家は投資用不動産だけでなく、自分たちの居住用としても、他のどの国の投資家より多く、不動産を購入している。
中国人投資家の特徴としては、不動産取引の76%を現金決済で行っていることで、投資地域としてはカリフォルニア州が全体の35%を占め、次いでワシントン州(9%)、ニューヨーク州(7%)となっている。
中国人投資家は米国人の雇用にも貢献している。米国の経済分析局(the US Bureau of Economic Analysis)によると、2011年に、米国の中国系企業が132万人の米国人を雇用した。
中国人投資家のグリーンフィールド投資によって作られた仕事は別として、多くの職はM&Aの取引条件によって守られた職だ。例えば、中国のShuanghui International(双汇集团)が米国の食肉加工業者であるSmithfiled Foodsを47億ドルで買収した際には、米国人従業員を引き継ぐことを確約した。この買収条件は、中国企業が米国の大手食品会社を買収することに対する批判を和らげるために必要な措置だった。
中国の投資動向を考える際には、過敏な反応をする前に、他の国や経済規模と比較して冷静に判断する必要があると、米国の米中ビジネス協議会(The US-China Business Council) は述べている。
いまのところ、中国の直接投資は日本等の他の海外諸国と比べてもはるかにおよばない。日本は米国に3,420億ドル投資し、他の多額投資をしている国々としては、ドイツ(2,080億ドル)、カナダ(2,380億ドル)、英j国(5,190億ドル)があげられる。
さらに、世界銀行によると、中国経済は上記の主要投資国の約2倍以上の経済規模がある。GDPで比較すると、中国経済は2013年に9.2兆ドルに達しており、日本(4.9兆ドル)の2倍で、ドイツ(3.6兆ドル)、英国(2.5兆ドル)、カナダ(1.8兆ドル)よりはるかに大きい。
情報源:The US-China Business Council's Washington, DC Office
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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