米国発でサンフランシスコに本社を置く、タクシー配車サービスのウーバー(Uber Taxi)は世界各地の規制当局やタクシー会社とトラブルになっているが、ついに韓国のソウル市でも営業を開始した。
ウーバーの広報担当者によると、同社はソウル市のタクシードライバーと契約(人数非公表)を結び、10月23日の木曜日から事業を開始した。
ウーバーのドライバーはウーバー経由で顧客を獲得した場合、会社にコミッションを支払う必要がなく、1回の乗車につき紹介料2,000ウォン(約1.9ドル)を支払うだけでよい。
しかしこのサービスはいままで規制に守られてきたタクシー業界にとっては脅威であり、韓国の運輸省やソウル市ともまだ合意には至っていない。従ってウーバータクシーは現地法では非合法な商行為と見なされる。
一方、ウーバーは同社のサービスが韓国の法律にのっとったものであり、合法であると主張している。
今回のソウルでの問題は、すでに世界各地でおきており、ウーバーは英国、イタリア、フランス、スペイン、ドイツのタクシー運転手の組合から反対に遭っている。また、欧州最大の市場であるドイツでは業界団体のタクシー・ドイチェランドがドイツの輸送法に違反しているとしてウーバーを提訴し、ドイツ全土で営業禁止を命じられた。
しかし、ウーバーは、自分たちが行っていることは既得権でがんじがらめになっている業界に風穴を開け、消費者の利益になるもと主張し。規制当局の制止を振り切り営業を継続している。
同社の営業戦略は攻撃的であり、韓国でも簡単に事業展開をあきらめることなく、徹底的に戦うものと思われる。もし同社のビジネスモデルが消費者に受け入れられ浸透すると、ソウルのタクシー業者の市場シェアが大幅に浸食され、壊滅に追い込まれる可能性もある。
注: Uberとは世界の各都市で展開されている配車サービスで、携帯アプリから今いる場所にハイヤーを呼ぶ事ができ、決済はアプリ内で行いその場で支払う必要は無い。ウーバーは高級ハイヤーを配車するUber、低価格タクシーを配車するUberX、既存のタクシーを配車するUberTAXIという三種類のサービスが提供されている。簡単な審査こそあれ、運転手を希望する者は、普通自動車の運転免許証と、一定サイズ以上の車を保有していれば誰でも、すぐに運転手になれる。そのため学生や主婦が隙間時間を利用してアルバイトとして運転手になっている。
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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