今年、アリババグループ・ホールディングがニューヨーク証券取引所に上場し、9月19日のニューヨーク証券取引所で約250億ドルの資金を手に入れたことは記憶に新しい。これにより中国ネット業界の巨人がついに世界に向けて動き出した。
同社のCEOであるジャック・マー氏が次のターゲットにねらっているのはハリウッドのコンテンツビジネスのようだ。
マー氏は近日中に、ハリウッドの主だったコンテンツホルダーである、ライオンズゲート、ウォルトディズニー、バイアコム、パラマウントピクチャー、タイムワーナー、ワーナーブラザーズ、ソニー、コムキャストのユニバーサルとの面談を予定している。
アリババはそれらのコンテンツホルダーと契約し、米国映画やテレビショー等の放送配給権を取得する又は主要コンテンツホルダーの株式取得を狙っているものと思われる。
同社はIPOを通じて、9月に調達した250億ドルの資金を使い、中国の消費者に物を販売するだけでなくコンテンツも売りたいと考えている。
アリババは中国の復星国際有限公示(Fousan International Ltd.)やDalian Wanda Groupのように、ハリウッドのコンテンツホルダーとの結びつきを強め、中国にエンターテイメント事業を導入する意図がある。もちろん中国で事業展開するには著作権侵害の防止や共産党政府の検閲など大きな課題はあるが、アリババはこのビジネスの可能性に大きな魅力を感じているようだ。
Fousanは6月8日に、ワーナー・ブラザースの製作部門で17年間重役を務めたジェフ・ラビノフが立ち上げた新制作会社、Studio 8に2億ドルを投資している。同社はStudio 8が制作したコンテンツに関して、中国本土や香港、マカオ、台湾での配給権を得ることになるという。
ラビノフ氏は、映画部門モーション・ピクチャーズ・グループのトップとしてさまざまなヒット映画を手がけた実績があり、クリストファー・ノーランやベン・アフレック、バズ・ラーマンといったクリエイターと強いパイプを持つ。
まけじと、アリババも7月に2012年に公開されたアメリカ合衆国のアクション映画”The Hunger Games"とTVシリーズの”Mad Men"に関し、中国での放映権を獲得した。マッドメンは1960年代のニューヨークの広告業界を描いた、アメリカ合衆国のAMC製作のテレビドラマシリーズで、2007年7月19日に放送を開始し、現在は第4シーズンの2010年7月25日まで放送終了している。
アリババのジャック・マー、ハリウッドに食指を伸ばす- (1)に続く
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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