英国のオックスフォード大学で人工知能の研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が今後10年間でロボット(人工知能)にとってかわられる職業を指摘した。
そのなかには、今現在、法科大学院で専門教育を受け、厳しい資格試験に合格しなくてはなれない弁護士も含まれている。
ニューヨークタイムズによると、弁護士、弁護士アシスタントのパラリーガルが行っている訴訟に関する調査・文書の作成、契約書の作成、判例、法令・手続などの調査等は近い将来、人工知能にとって代わられそうだ。
例えば、カリフォルニア州のパルアルトにあるBlackstone Discovery社は12年前からE-Discoveryという、判例などの法律文書の収集、チェック、作成補助用ソフトを提供し、モリソン・フォスター、ホワイト&ケース等、すでに多くの大手弁護士事務所が導入している。このソフトは年々、進化しており150万件の法律文書をまたたくまに調査できるそうだ。
またソフト(人工知能)はどれほど多くの法律文書を精査しても疲れることを知らず、人間のようにミスを犯すこともなく、昇給も昇進も望まない。
Legal
Futuresの報告書によると、人工知能は15年以内に法律実務の多くの部分を人に代わって行うようになるそうだ。2030年までに人工知能は低レベルの知的作業を代行するようになり、人間の弁護士が担当する作業領域は大幅に縮小し、高レベルなアドバイザリー業務のみになっていくと予測されている。従って、多くのパラリーガルや契約書などの法律文書作成を専門とする弁護士の多くが職にあぶれることになるだろう。
また人工知能は弁護士に限らず、医師や会計士などの他の専門的職業も浸食し、その職を奪っていく可能性がある。
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
コメントをお書きください