多くの機器がインターネットにつながれるモノのインターネット(Internet of Things : IoT)ビジネスの世界が現実味を帯びてきている。
IoTの概念は25年前位からメディア等に取り上げられており、とりたてて新しい話題ではないが、クラウド、ソーシャル、ビッグデータに続く重要トレンドとして再び注目を集めている。
英ボーダフォンは、大手電話会社がもつ巨大な通信網をより強化し、あらゆるものを通信でつなぐことで、IoTを新たな収益の柱にできると考えている。
また世界最大のコンピューターネットワーク機器メーカーである、シスコシステムズは2050年までに500億の機器がインターネットにつながれると予測しており、ボーダフォンは携帯ネットワークのインフラがすべてのIoT端末と互換性をもち、機器間での情報のやり取りを可能にする計画に取り組んでいる。
ボーダフォンの調査によると、2013年3月末時点で、携帯電話を除いて1,200万の機器が接続されていたが、2014年3月末には1,620万の機器がネットワークで接続されている。さらに2018年までには毎年、平均で約24%接続機器が増加するそうだ。
ワイヤレスネットワークを使った接続デバイスはビジネスとして活況をていしており、今後10年間に現在使用されている端末が新しいワイヤレス端末にとってかわられることにより、携帯電話会社は2020年までに7.1兆ドルの収益をあげると予測されている。
ボーダフォングループの接続機器部門の責任者である、Erik Brenneis氏は通信ネットワークの接続が進むことで、自動車同士がお互いの走行状況を把握し、自動的にブレーキを掛けることによって自動車の安全性が飛躍的に高まると述べている。このことは日産やグーグルが進めている自動走行車につながる話だ。
またボーダフォンは顧客からの依頼があれば、どんな機器でもネットワークでつなげると言っている。
IoT関連ビジネスの収益はまだ小規模であるが、この分野は今後大きく伸びる可能性を秘めており、ボーダフォンは今後より多くの経営資源を投資する計画だ。
またボーダフォン以外の電話会社としては旧フランステレコムのオランジュ(Orange)とスペインのテレフォニカ(Telefónica, S.A.)がこの分野に積極的に取り組んでいる。
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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