腕を失った人が骨、筋肉、神経を直接義手に繋ぎ、脳からの指令で自由に動かすことが現実になった。
ヨーロッパ指折りのエリート名門工科大学、チャルマース工科大学のバイオメディカルエンジニアである、Max Ortiz Catalan氏によると、人工の腕を人の骨に直接繋げて固定し、人間の生物制御システムを、神経電極でつなぐことで、機械の義手コントロールを動かすことに成功した。これはまさに生身の肉体と機械、生物とメカトロニクスの融合で、サイボーグ義手ともいえる。
外科的手術によって直接患者の腕にチタン製の棒を埋め込めこむことで、オセオインテグレーション(チタンが骨と一体化する状態)を作り出す。さらに人工の腕を接続する。義手の中には複数のワイヤが通されており、ドアのカギを開けたり、卵を割らずに掴んだり、子供のスケート靴の紐を結んだりスノーモービルを運転したりするような、いままで困難とされてきた複雑で精密な動きもできるようにする。この手術はオセオインテグレーテッド・ヒューマン・マシーン・ゲートウェイ(OHMG)と呼ばれている。
人口の腕を骨に直接繋いでいるため、切断面をソケットに入れる場合と比較して褥瘡がなく、骨からの振動による感覚のフィードバックが増す。また、埋め込まれた電極は筋肉から直接に送られてくる運動シグナルを解読できる。
さらに驚くべいきことは、埋め込まれた電極によって、脳から義手だけではなく、義手から脳へと、さわった感触を情報として脳に伝達できることだ。
下記の動画は、2003年に癌性腫瘍で右手を切断した、スウェーデンの元トラック運転手、Magnus氏が新しい義手を得たことによっていままで不可能と思っていたことができるようになったことが記録されている。
情報源: TEDxGöteborg2014
ブログ投稿:株式会社ユーディーアール 小椋貴央
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