もしコンピューターが人間の納と同等に物体を認識できたらどうなるだろうか?
カルフォルニア大学サンディエゴ校(University of California, San Diego)の技術者チームはリアルタイム(1秒に2-4フレームを解析)で、現存のレーダーなどのセンサーを利用して路上の歩行者の検知システムよりも正確に歩行者を認識できる検知方法を開発した。
この技術はビデオカメラのみを使用する検知方式で、ディープラーニング技術を使用している。そのため安いコストでより効率の良いシステムを構築でき、スマート自動車、ロボット及び画像検索システムに利用することができる。
同教授によって開発された歩行者検知アルゴリズムはカスケード検出器として知られている伝統的なコンピューター画像分類とディープラーニング・モジュールを統合したものだ。
これまで研究されてきたいかなるアルゴリズムも、次々に起こる異なる状況に対応することができるほどに検知精度と処理スピードの両者のバランスを最適化することはでなかったが、新アルゴリズムを使うことで、カスケード検知の処理スピード(連続画像の中から素早く多くの歩行者を検出できる)とディープニューラルネットワークと呼ばれる機械学習アルゴリズム(より複雑なパターンの認識が可能)の検知精度のバランスを取ることが可能になった。
これはまだ完全にはリアルタイムの映像に追いつけるスピードではないが、それでもかなりリアルタイムに近い速度である。また同アルゴリズムはこれまでの類似のアルゴリズムよりも、誤検出率を半分にすることができる。
同研究を牽引する、電子工学部教授であるNuno Vasconcelos氏によると、UCサンディエゴはコンピューターが現実世界をより理解できるコンピューター・ビジョンシステムを作ることを目的としている。
最終的なゴールは人間の動作や行動を実時間で計測する、実時間ビジョン(real-time vision)の実現で、自動運転車の歩行者検知システムに利用することを目的としている。
なお、Vasconcelos教授はUCサンディエゴのビジュアルコンピューティングセンターと文脈学習ロボット研究所を兼務している。
情報源:UC San Diego Jacobs School of Engineering
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