ドイツのテュービンゲン大学で、
Martin Butz教授が指導するコグニティブ・モデル研究グループが任天堂のゲームキャラクターとして有名なマリオ、ルイジ、ヨシ、トッドが自動学習して行動するソフトウエアを開発した。
人工知能はコンピューター・ゲームにおいて大きな役割を果たしているが、そのインテリジェントシステムは十分に活用されているとはいえない。しかし、新たに作られたビデオゲームはゲームキャラクターが知性や自我のような力を備えている。
ゲームキャラクターは周りの状況を観察し、他とコミュニケーションを取ることで、自分の置かれている環境を自動的に学習することができる。例えば、マリオがトッドにどのようにコインを収集するか質問し、得た情報を自分でためすことができる。
他の特長としては、キャラクターが他のキャラクターと連携して目標を達成する。例えば、マリオとトッドは自分一人で届かない高さにあるコインを取るために、片方のあたまの上に乗ることでコインを獲得するができる。
コンピューター学者はマリオと友達が共同作業で戦う力や、その協力関係をさらに強化する力を与えた。
2015年にこの研究グループは人工知能をもつマリオを初めて公開した。マリオは自分の置かれた環境から自分で学び、何ができるか判断し、さらにゲームをしているプレーヤーとコミュニケーションすることもできる。結果として、マリオは単にプレーヤーによってコントロールされるだけの受け身のキャラクターではなくなった。
さらに、マリオには会話するインターフェイスも組み込まれており、プレーヤーはマリオと会話したり、感情を聞いたり、ゲームのルールをマリオに教えることもできる。この対話により、マリオはさらにゲーム内の世界を学習する。またマリオの会話は決まったスクリプト(台本)があるのではなく、アルゴリズムに基づきリアルタイムに生成される。
研究チームの目指すゴールはこの技術をゲームに使うだけでなく、中学、高校、大学での授業に利用したり、人間と機械のインターラクションやドライブアシスタンスの分野に応用することだ。
情報源:Super Mario gets social intelligence (Phys.org)
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