主要通信キャリアがロンドンで開催の"TV Connect 2016”において、LTEブロードキャスト(以下LTE-B)のアライアンス立上げを発表した。Digital TV Europeによると、アライアンスに参加する企業は(英)EE、(米)ベライゾン、(豪)テルストラ、(韓)KTの4社で、LTE-B技術の促進するために提携を決めた。
LTE-BはeMBMs(LTEを通じて高解像度の映像コンテンツを配信する仕組み)としても知られており、動画や音楽などのマルチメディア・コンテンツを既存ネットワークで効率よく配信できる。
ベライゾンは2012年からLTE-Bの開発に取り組んでおり、同社のゴールは、アライアンスによって新しいビジネスモデルを創出し、どのようなサービスをおこなうことができるか市場に知らしめ、技術をリードすることにある。
豪州のテルストラによると、モバイル端末でのビデオ視聴は増加しており、特にスポーツ観戦が伸びている。LTE-Bは映像コンテンツ配信のカギとなる重要技術であり、アライアンスを組むことは、通信業界の他のプレーヤーに、同技術のエコシステムを加速させる必要性をメッセージとして送ることでもある。さらに、来年までにLTE-Bに使用できる機器の浸透を促すものでもある。
米国ではベライゾンが自社の4G LTEネットワークによってLTE-Bサービスを商業展開している。
英国ではEEがBBC(英国国営放送)とパートナーを組み、ウェンブリー・スタジアムで開催された、2015年のサッカーFAカップ(The FA Cup)の最終試合でLTE-Bを実験使用した。その際、複数のカメラアングルでのHD放送(高精細度テレビジョン放送)が行われ、スタジアム内で携帯端末で再生された。
オーストラリアでは、テルストラ(Telstra)が2014年1月に、世界初のLTE-Bを使ったスタジアム放送を行った。さらに同社は2015年10月のNRL(ナショナル・ラグビー・リーグーNational Rugby League)最終戦の放送にこの技術を使用してデモンストレーションした。また直近ではMobile World Congress 2016でエリクソン社と共同でLTE-Bを使って映像を流した。
韓国ではKTが、2014年1月に世界初のLTE-Bの商用サービスオペレーターとしてサービスを開始した。
情報源:Telecoms.com
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