英国における病院では、3Dプリンターで造った前立腺模型をがん腫瘍除去の手術支援に使用している。
3Dプリンターは医療分野で大きなビジネスになりつつあり、外科手術において、3D模型を使うのは複雑な手術計画を立てる上で当たり前のことになっている。
前立腺がんの手術では、3Dモデルを使って、事前に腫瘍の存在位置を正確に把握することが非常に重要な意味を持つ。前立腺は神経や血管の束が集中している敏感な箇所なので、少しのミスが手術後の後遺症としての尿漏れや勃起障害などにつながり、術後の患者の生活の質(QOL)に大きな問題を残すことになる。
そのため、前立腺がん手術においては腫瘍の周辺部位を傷つけないための最新の注意と高度な外科技術が必要になる。
英国のNHS病院(公的医療機関)では200ポンドの医療用ロボットを導入するのと並行して、3Dプリンターを使った臓器モデルの使用を始めている。
米国のインテュティブ・サージカル社の開発した医療用ロボットのダ・ビンチは、医者が術中に臓器に対する手ごたえを直接感知できないという問題はあるものの、低浸潤な手術を可能にし、人為的手術ミスを削減した。
NHS病院では年間300以上のダ・ビンチを使った内視鏡外科手術が行われており、ロンドンでは3Dプリンティングを併用した手術がトレンドになり始めている。
MRIでスキャンした臓器情報はCADの設計プログラムに送られ、150-200ポンドで模型が造られる。
昨年、NHS病院では3才の少女に複雑な腎臓移植手術をするための手術計画を立てる際に、3Dプリンター模型を利用した。
3Dモデルを利用した手術はごく最近のイノベーションではあるが、外科手術を施行する際の標準的な技法になりつつあるようだ。
情報源:3D Printer Industry
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