未来の靴はハイテク化するのだろうか?この質問に対して応える企業がすでに出てきている。
2016年5月初旬に、PCメーカーのレノボはインテルの半導体と3Dプリンターで製造した端末を組込んだスマート・スニーカーを公表した。そして"EasyJet(以下イージージェット社)"も同様な機能を持ったスマート・シューズをマスコミに公開した。
イージージェット社は1995年に設立されたヨーロッパ有数の急成長LCC(格安航空会社)で、英国のルートンに本社を置く。同社は先進技術の開発に積極的に取り組んでいることでも知られており、かなり前からコスト削減のためスマホアプリを使った搭乗手続きを導入している。ウエアラブルテクノロジーの利用に関しては、2015年にウエアラブル技術を組み込んだキャビンアテンダントとエンジニア用のユニフォームを発表している。
今回発表したスマートシューズ(Sneakairs)には3Dプリンターで製造されたプラスチックケース内にセンサーや振動モーターが入っており、スマートフォンアプリのGPSとブルートゥースで繋がっている。
スマートシューズの利用者は組込まれたモーターからの振動によって左右どちらに歩けばいいか指示される。また道を間違えた場合も振動が教えてくれるので、いちいち携帯の地図アプリを見る必要はない。
一度、携帯アプリに行きたい場所を入力すれば、スマートシューズが行先を教えてくれ、目的地に着くと、三回振動することで到着を教えてくれるようになっている。
ナビゲーションツールにはArudino(アルディーノ)クローンに組込まれている、Google MapとGoogle Direction API(ルート検索機能)が使用されている。
スマートシューズの開発は"Barcelona Street Project”と呼ばれており、カタルニア地方の中心都市バルセロナの街中でテスト走行が実施された。プロトタイプの実験ではガウディの建設したカサ・ミラやカサ・バトリ等を含む市内の重要な歴史的建造物の全てを通るようにプログラミングされた。
イージージェット社がいまのところ”Sneakair”を商用化して一般販売する予定はない。同社のマーケティング担当役員のPeter Duffy氏によると、今回の実験から得られた楽しい体験を多くの人にシェアしてもらい、それが口コミで広がり、将来的にビジネスにつなげられたらいいと考えているそうだ。
このウエアラブル技術をさらに発展させれば、スマートシューズが盲導犬の役割を果たし、視覚障害者が安全かつ確実に移動する助けになるかもしれなず、今後に大いに期待したい。
情報源:3der.org、WIRED
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