人口知能は何千人という群衆から特定人物を完璧に照合でき、その能力は人間をも凌ぐと思われているようだが、現実にはそこまで至っていないようだ。
このたび米国のワシントン大学が主催したMegaface Challenge(メガフェイス・チャレンジ)というコンペで、数多くの研究チームが100万単位のイメージ写真を使って顔認証能力のアルゴリズムを競った。
コンペの最終結果は、異なった年齢や姿勢の人々の判別等、顔認証に関わる重要な課題の解決に役立てることを目的としており、300以上の研究チームがメガチャレンジで各々のアルゴリズムを競い、評価を受けた。
一般には最新の認証システムはほぼ100%に近い確率で人の顔を識別できると思われているが、現行のシステムではわずか13,000程度の少ないイメージデータを基に正確性を計っているにすぎない。
今回の実験では、研究者はより巨大なイメージデータを使用した。写真投稿サイトのフリッカー(Flicker)を利用し、世界中から690,572人の写真を収集し、各認証システムがどれほど正確に同一人物の写真2枚を照合できるか調べてみた。
調査では、100万人以上のビックデータを使用した場合、GoogleのFaceNetが最も高い正答率をだしたが、それでも75%にすぎなかった。次いで第2位はロシアの研究チーム、N-Tech Labの73%だった。他のシステムはことごとく33%以下の正答率で、顔認証アルゴリズムがいまだ未成熟な技術で不正確なものであることが判明した。
また研究者チームは100万人以上の選択肢から同一人物の異なった写真を照合するというアルゴリズム能力の評価テストを行った。このテストは1枚の写真を使って、犯罪容疑者と公共機関の監視カメラがとった画像を確認する場合など、実社会で利用できる能力を見るものだ。
実際のところ、写真と監視カメラで撮ったイメージを照合する際、監視カメラの画像が写真と違った角度で撮られている場合はコンピューターにとっても難易度の高い判断になる。
最終的にわかったことは顔認証アルゴリズムは一部の例外(中国のSIAT MMLab)を除いて、より巨大なデータを利用して実験を繰り返したものが好成績を収めているということだった.
従って、顔認証能力を高めるには、人工的なディープ・ニュートラル・アルゴリズムは何百万というパラメーターを学び、大量な事例を収取し実験を積み重ねる必要がある。
情報源:DailyMail
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