世界の通信機器市場は減速し、4Gの携帯機器市場も昨年末に天井を打ってしまった。また、まずいことに次の世代となる第5世代移動通信システムへの移行にはまだ時間がかかる。そんな中、インドはエリクソン、ノキア、ファーウェイ等の通信機器ベンダーにとってありがたい市場になりそうだ。
通信分野の専門家によると、世界の通信機市場はインドの次期決算期である2018年3月末まで弱含みで推移し、2016年3月末時点での市場規模に回復するには2021年までかかると見られている。
英国の通信専門調査会社であるアナリシスメイソンによると、インドの通信事業者による資本支出は今後、数年間にわたり年間10-12%ずつ増加すると予想されている。
世界の4G市場は成熟化しており、成長ベースは鈍化するが、インドは例外的にまだまだ巨額のインフラ投資と設備の近代化が必要だ。
インドの通信事業者によるネットワーク投資の減速は世界的通信機ベンダーにとってもプレッシャーになっているが、インドの2Gから3Gの既存ネットワークを4Gへと切り替えるにあたって、インド全土にバックボーンやファイバーの設置が必要なため、インド国内の通信産業分野にとって願ってもない追い風になるだろう。
インド・ノキアの社長、Sanjay Malik氏によると、現在のインドはまだ4Gの初期段階にあり、膨大な人口を背景にしたユーザーが4Gへの接続を必要としており、まだまだ市場拡大の余地がある。
インドの通信業界は周波帯域が明らかに不足しているため、帯域の拡大が不可欠だ。同国のデータ量は拡大し続けており、安い3Gや4Gを利用できるようにするための資本投下を増やす必要がある。
アナリシスメイソン社によると、インドの全ての通信事業者は既存施設のアップグレードとは別に、14-15万の基地局が新たに必要だ。さらに携帯基地局、制御基地局及び交換局等のコア通信網を結ぶバックホール市場需要も通信機器事業者の収益拡大に貢献するだろう。
ネットワーク拡大のためのバックホール市場の拡大は携帯ユーザー数と使用データ量の増加により、今後5-6年は好調に推移すると見られている。
情報源:ET Telecom(2016年12月29日の記事- 4G expansion: India a bright spot for Ericsson, Nokia & Huawei amid global downturnより)
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