政府の技術責任者によると、香港では、今後2年以内に「スマートシティ」が構築され、データセキュリティを強化する計画の一環として、新しい「電子身分証明書」が住民に発行されるそうだ。
先進技術担当大臣のNicholas Yang Wei-hsiung氏は、「e-ID」は、香港政府が提供するオンラインサービスへのアクセスを容易にし、個人データのより強力な保護手段を可能にすると述べた。
この提案は、香港のサイバーセキュリティに対する懸念が高まっている中で起きたものだ。 木曜日、スタンダードチャータード香港マラソンに参加した何人かのランナーは、レースエントリー料金を支払うために使用されたクレジットカードで疑わしい取引があったことを報告したが、主催者は違反を確認できていない。
ヤン氏は、ラジオ番組に出演後、土曜日に語った。「e-IDの申請で、より安全な電子サービスが国民のために提供されることを願っている。 私たちは今後2年以内にサービスを開始する予定だと語った。
彼は、香港のサイバーセキュリティ防衛システムは、WannaCryランサムウェアの侵略を成功裏に打ち破ったことで「満足」していると付け加えたー5月の世界的なサイバー攻撃は、Microsoft Windowsオペレーティングシステムを使用している企業を狙い撃ちにした。
しかし、ヤン氏は、クレジットカードの盗難が懸念され、データが漏洩する原因は、多くの場合、オンライン登録のために多くの個人情報が収集されていることや、自分の携帯やコンピューターにあると述べている。
香港の政治指導者は、スマートシティの革新を促進するため、今後5年間に450億香港ドルの研究開発費を倍増する。
香港の政治指導者Carrie Lam Cheng Yuet-ngor氏の政策提言で、e-IDのアイデアが最初に起案され、すべての居住者に統一されたデジタルアイデンティティと認証 を付与し、「スマートシティ」計画の一環として政府や商取引に使うよう提言している。
このコンセプトを実行することで、香港はデンマーク、ドイツ、イスラエルなどの国々と同レベルになり、市民は税金の支払い、銀行口座の開設や選挙の投票することさえ可能になるだろう。
Lam氏はe-IDが香港でどのような形態をとっているのかについて詳しくは述べていないが、この問題に精通した政府関係者は、携帯電話に署名とユーザー認証を含む、ユーザーの物理的IDカードの電子版を作成する。
情報筋によると、1億香港ドル以上がこのプロジェクトに投資されるだろうと、情報筋は述べている。
E-IDは、個々の組織ではなく政府によってすべての個人データが保護されるため、より強力なセキュリティ保証を提供するだろう、とソースが付け加えた。 また、登録するウェブサイトごとに異なるパスワードを作成する手間も省ける。
しかし、それは新しいサービスが現在香港のすべての住民に発行されている既存の物理的身分証明書に取って代わることを意味するものではない。 情報筋によると、それは引き続き使用されるだろうと語った。
Carrie Lamが政策演説を行う中で、香港の競争力を維持するために税制優遇措置とR&Dを視診することを提案した。
同市の情報技術部門を代表するチャールズ・モック氏は、e-IDの考えを歓迎し、政府は地元住民の個人情報をより良く保護する必要があると述べた。
同氏は、e-IDは、指紋や生化学情報などのマーカーをさらに確認することで、個人の身元をより正確に検証できるようにすると述べた。
しかし議員は、データを安全に保つ政府の能力に疑念を抱いていた。
モック氏は、今年の3月、370万人の投票者じょうほうが2台のノートパサコンから失われたことを引き合いに出した。
注:史上最大のランサムウェア攻撃」と言われる規模のサイバー攻撃で、その原因となっているランサムウェアの名が WannaCry。政府機関、企業、個人など、世界150ヵ国20万台以上のコンピューターの感染が確認され、欧州の病院では手術が中止になり、病院が閉鎖するなど、大きな混乱を招いている。日本では日立製作所や東日本旅客鉄道(JR東日本)でも被害が確認されている。
情報源:香港政府